ナイアシンの働き、欠乏症、過剰症

ナイアシンの働き、欠乏症、過剰症

ナイアシンの働き
ナイアシンは、食品に含まれるニコチンアミドとニコチン酸(※)の総称。
水溶性のビタミンで、ビタミンB3ともいいます。(※ニコチン酸は、たばこのニコチンとは無関係)
ビタミンB2とともに、糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝に関与します。
ビタミンB1とともに、アルコールの分解に関与します。
また、抗酸化、脂肪酸の生合成、ステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成、細胞分化にも関わっています。
皮膚や粘膜の健康維持を助けます。
ナイアシンの欠乏症
疲労感を感じたり、口角炎 や口内炎になったりします。
重篤な欠乏症はペラグラ。
日光に当たりやすい顔や手足に炎症がおき、下痢や精神神経障害を起こす。 日本のペラグラ患者の多くはアルコール依存症の人です。
ナイアシンの過剰症
通常の食品で、ナイアシンが過剰となることはまずありませんが、ナイアシン強化食品やサプリ等で大量に摂ると、皮膚が赤くなったり、嘔吐や下痢、肝機能障害などが起こります。
強化食品、サプリ等のニコチンアミド(mg)とニコチン酸(mg)について、耐容上限量が設定されています。
成人男子:ニコチンアミド300mg、ニコチン酸80mg(18〜29歳)
ニコチンアミド350mg、ニコチン酸85mg(30〜49歳)
ニコチンアミド350mg、ニコチン酸80mg(50〜69歳)
ニコチンアミド300mg、ニコチン酸75mg(70歳以上)
成人女子:ニコチンアミド250mg、ニコチン酸65mg(18〜69歳)
ニコチンアミド250mg、ニコチン酸60mg(70歳以上)
ナイアシンの推奨量
成人男子: 15mgNE(18〜49歳)、14mgNE(50〜69歳)、 13mgNE(70歳以上)
成人女子: 11mgNE(18〜29歳、50〜69歳)、12mgNE(30〜49歳)、 10mgNE(70歳以上)
ナイアシンの多い食べ物
ナイアシンは、レバー、肉類、魚類に多く含まれます。
備考
「ナイアシン当量(mgNE)」について
食品中のナイアシンはニコチンアミドとニコチン酸ですが、体内で、食品中のトリプトファン(たんぱく質の量の約1%)からもナイアシンが合成されます。合成量はトリプトファンの量の1/60です。この量をプラスした値を「ナイアシン当量」と呼び、以下の式により算出します。
(たんぱく質は〈g〉表示ですので、1000倍にして〈mg〉表示に)
ナイアシン当量(mgNE)
=食品中のナイアシン〈mg〉+トリプトファン由来のナイアシン〈mg〉
=(ニコチンアミド〈mg〉+ニコチン酸〈mg〉)+
(たんぱく質〈g〉×1000×1%×1/60)
トリプトファン由来のナイアシン量〈mg〉は、計算上は、
「たんぱく質〈g〉÷6」となります。
『日本人の食事摂取基準』では、食事からの摂取量に、「体内でトリプトファンから合成される量」を加えたナイアシン当量で、推奨量を設定しています。当サイトの「食事内容入力結果」では、食事からの摂取量のみを「摂取量」として表示し、トリプトファン分の計算は行っておりません。ナイアシンの量は、たんぱく質を摂っていれば、もう少々多くなる、とお考えください。
(「たんぱく質の量〈g〉÷6」の数値を加えてみてください)
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